【介護の日本語】私が「介護の日本語」を教えようと思ったきっかけ
みなさんこんにちは。
介護士兼プロボクサー兼日本語教師の内藤です。
今回は、私が外国人の方々に「介護の日本語」を教えようと思ったきっかけについてお話させていただきます。
私は2015年12月から1年間ベトナムに滞在しておりました。
その際にハノイにある介護施設を見学させていただきましたが、これが忘れられない経験となりました。
施設に入ると、利用者さんが日中、パジャマ姿で居室外を過ごされているのに驚かされました。
よく観察すると、車いすのブレーキが壊れていたり、タイヤがパンクしており、こうした車いすを使っている利用者さんがけっこういらっしゃいました。
トイレ誘導をされている様子がなかったので、職員に「トイレはどうしていますか。」と尋ねると、「おむつをしているから、トイレで排泄介助はしていません。」と返答されたのに衝撃を受けました。
しっかり自立して歩いている方もいらっしゃるのに、トイレで排泄をしないというのです。
職員の方は全く悪びれる様子はありませんでしたし、おむつを交換しているから大丈夫と自信満々という感じでした。
他にもいろいろありましたが、ここでは書けないことがあります・・・。すみません。
私の見学した施設からは「自立支援」や「利用者主体」という日本の介護施設では当たり前のようにされていることがなされていませんでした。
日本の介護も、昔はあまりよくなかったところがあると聞いたことがあります。
そうであれば、ベトナムの介護もより良い方向へ変えられるはずだと思いました。
このベトナムでの経験をきっかけに、帰国してから、日本語教師として外国人介護士の方々に「介護の日本語」を指導するようになりました。
日本は、2007年に高齢化率21%を越え「超高齢社会」を迎えました。
ベトナムも、これを追うように2017年に「高齢化社会」に突入しており、2034年には高齢化率が14%を越え、「高齢社会」になるだろうと言われています。
ベトナムではまだ介護施設が少ないそうですが、これからベトナムも高齢化が進んでいき、介護施設が増えていくことでしょう。
その際には、いま日本で介護の技能実習を受けている実習生たちがベトナムに帰り、日本で学んだ介護技術や思いやりの心を広めていってほしいものですね。
【 参 考 】
技能実習制度は、国際貢献のため、外国人を一定期間受け入れ(最長5年)OJTを通じて技能を移転するものです。
技能実習は様々な職種で以前からありましたが、2017年11月から介護が追加されています。
現在、技能実習生で一番多い国籍はベトナムです。
内藤開発・監修
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株式会社aileron(エルロン)
内藤 友彰(介護士兼現役日本語教師)
大学院修了後、大手介護施設で勤務し、日本語教師に転職。
介護施設での勤務経験を活かし、EPA ベトナムの 現地講師を経験。
帰国後、日本語学校の専任講師として入国後の EPA 候補生を指導しながら、施設配属後から 国家試験までの 3 年間のカリキュラムのデザインや介護の日本語の教材を作成。
現在は株式会社エルロンで、介護技能 実習生を対象とした授業を担当。
研修センターの日本語教師向け「介護の日本語」研修も行っている。
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