【介護の日本語】外国人スタッフの受け入れ準備②
みなさんこんにちは。
介護士兼プロボクサー兼日本語教師の内藤です。
前回、外国人スタッフの受け入れ準備として、外国人スタッフ側にしておかなければならないこととして、日本語教育があり、それが受けられる場所をいくつかご紹介しました。
≪ 前回 ≫
【介護の日本語】外国人スタッフの受け入れ準備①
今回は、日本人スタッフ側に必要となる受け入れ準備についてお話しいたします。
外国人スタッフを受け入れる際、日本人スタッフの心配事は、「外国人と円滑にコミュニケーションができるかの不安」ではないでしょうか。
よく施設の担当者様から「私は英語が話せないから心配です。」というお声を頂きます。
コミュニケーションに不安を感じるのは当然だと思います。
日本人も外国人の受け入れ準備として、語学研修は必要になると思います。
そこで、私は日本人スタッフに「日本語の研修」をご提案しています。
日本人が日本語の研修?英語じゃなくて?と思うかもしれません。
現在、日本で生活している外国人の中で英語を話すことができる人は、約44%とい合われています。
(岩田一成『言語サービスにおける英語志向』2010)
みなさんの施設に配属される外国人の方が、英語を話せるとは限らないということです。
逆に、簡単な日本語ならわかる、話せると答えた外国人は、63%という調査結果が得られています。
(岩田一成『言語サービスにおける英語志向』2010)
つまり・・・
「やさしい日本語」を使ってコミュニケーションをすればいいのです。
「やさしい日本語」という言葉を聞いたことがありますか?
やさしい日本語は阪神淡路大震災を契機に作られました。
大震災の際に、多くの外国人が被災しましたが、被災率は日本人の2倍以上だったという統計があります。
災害情報の日本語が難しい日本語だったために、外国人に伝わらなかったのが原因とされています。
そこで、まだ日本語が不慣れな外国人にもわかりやすく情報を伝達する手段として「やさしい日本語」が生まれました。
外国人に配慮された日本語が「やさしい日本語」なのです。
現在、「やさしい日本語」は、様々なところで使われるようになってきました。
市区町村の役所やWEBニュース、観光地でも使われるようになり、「やさしい日本語」が徐々に社会に浸透してきています。
やさしい日本語を習得すると、外国人スタッフとスムーズにコミュニケーションがとれるようになります。
業務指示が、しっかり伝わるようになります。
申し送りも、しっかり伝わります。
いまから英語を勉強する必要もありません。
相手の国の言葉を学ぶ必要もありません。
日本語で大丈夫なのです。
外国人スタッフに歩み寄る一歩として「やさしい日本語」を身につけてみませんか。
次回は「やさしい日本語」について、もう少し詳しくご紹介します。
株式会社aileron(エルロン)
内藤 友彰(介護士兼現役日本語教師)
大学院修了後、大手介護施設で勤務し、日本語教師に転職。
介護施設での勤務経験を活かし、EPA ベトナムの 現地講師を経験。
帰国後、日本語学校の専任講師として入国後の EPA 候補生を指導しながら、施設配属後から 国家試験までの 3 年間のカリキュラムのデザインや介護の日本語の教材を作成。
現在は株式会社エルロンで、介護技能 実習生を対象とした授業を担当。
研修センターの日本語教師向け「介護の日本語」研修も行っている。
内藤開発・監修
「介護の技能実習生」を迎える監理組合・研修センターの皆様向け
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