「やさしい日本語」のすすめ Vol 6
皆さん、こんにちは。
やさしい日本語の専門講師の竹丸勇二(たけまる ゆうじ)です。
今回は、やさしい日本語の取り組みからはお話が少しそれますが、先回の「コロナ禍の挑戦」の続きについてお話させていただきます。
今年の6月、コロナが収束してくれるのではと、淡い期待を抱いておりましたがいっこうにその気配はなく、インバウンドの入国は止まったままでした。
そんな時、海外で待機中の技能実習生12名に対し、オンラインで会話力を引き上げてほしいとのご依頼をいただきました。
入国前の日本語研修は済んでいましたが、待機が長引けば長引くほど日本語を忘れてしまうことや、モチベーションが下がる可能性を心配してとのこと。
コロナがここにも暗い影を落としていました。
ご依頼をくださった監理組合様は、
「日本語ができないイコール仕事ができない、という評価を受けてしまう。会話力の向上が必要だ。」
とはっきりおっしゃいました。
この言葉に気が引き締まる思いがしました。
「全力でやらせていただきます!」そうお応えし、準備を始めました。
ベトナム、インドネシア、タイの実習生で12名。11名が携帯電話での受講でした。
通信の不良が原因で、オンラインクラスから突然退出してしまう状況が何度も発生しました。
しかし、それがかえって「協働して学ぶ」ことに生かされ、クラスに戻った実習生を、他の実習生がすぐにフォローし合っていたしました。
また、授業時間外も、実習生同士でオンラインで会話練習をするなど、習得意欲の高さに驚かされました。
オンライン授業での私たちの不安は、全体練習の後、2~3名で個別練習するというサイクルを円滑に素早く行えるかという点でしたが、オンラインでも対面授業同様、十分に成果を上げることができました。
10月に入って、オンライン授業に参加していた実習生から「先生、ビザが下りました。東京駅でお会いしましょう!」と嬉しい連絡を頂きました。
今は全員と東京駅の前で会えることを心待ちにしています。
今回の授業に取り組む中で当初、オンラインでは難しいと思えたことがいくつかありました。
しかしそれも工夫次第で成果を上げることができることを体験しました。
必要なのは、「必ず乗り越えるという強い気持ちで前に進む」ことなのだと思いました。
やさしい日本語の伝道師を増やしたいという取り組みも、コロナ禍では難しいと思っていましたが、決してそうではない。
今後、新しい取り組みを探っていきます。
次回は、それについてお話したいと思います。
最後までお読みくださった方々に感謝いたします。
株式会社aileron(エルロン)
やさしい日本語専門講師
竹丸 勇二(たけまる ゆうじ)
関連記事:
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