築地の卵焼き店で不法就労助長容疑
タレント・コメンテーターのテリー伊藤さんの実家で、東京都中央区の築地場外市場にある創業80年を越す卵焼き専門店「丸武」の社長で、テリー伊藤さんの兄として度々メディアで取り上げられた「アニー伊藤」こと伊藤光男社長が不法就労助長容疑で書類送検されたと報道されています。
捜査関係者によると、書類送検容疑は2009年9月~今年3月、不法残留などで就労資格がないことを知りながら、中国人の男女2人を丸武で働かせたとしている。
昨年秋ごろ、同署に「丸武に不法就労の外国人がいる」との情報が寄せられて発覚。同署などは今年3月、この中国人2人を同法違反(不法残留など)容疑で逮捕し、4月に丸武を家宅捜索した。
伊藤社長は「(従業員が)オーバーステイであることはうすうす分かっていた。在留カードを見ても身分確認が本当に大丈夫かよく分からなかった」などと話しているという。
2019年6月7日付 朝日新聞 WEB版
不法就労に該当するのは、下記の3つのケースです。
- 不法滞在者や被退去強制者が働く
(例)
・密入国した人や在留期限の切れた人が働く
・退去強制されることが既に決まっている人が働く - 入国管理局から働く許可を受けていないのに働く
(例)
・観光等短期滞在目的で入国した人が働く
・留学生や難民認定申請中の人が許可を受けずに働く - 入国管理局から認められた範囲を超えて働く
(例)
・外国料理のコックや語学学校の先生として働くことを認められた人が工場 / 事業所で単純労働者として働く
・留学生が許可された時間数を超えて働く
そして、不法就労の外国人を受け入れた企業(事業主)も入管法により処罰の対象となります。
- 不法就労させたり、不法就労をあっせんした人「不法就労助長罪」
⇒3年以下の懲役・300万円以下の罰金
(外国人を雇用しようとする際に、当該外国人が不法就労者であることを知らなかったとしても、在留カードを確認していない等の過失がある場合には、処罰を免れません。)
仮に企業側が、雇用した外国人が不法就労にあたることを「知らなかった」としても、在留カードを確認していない等の過失がある場合には処罰を免れることができないので、注意が必要です。
今回の丸武の伊藤社長(アニー伊藤さん)、
「(従業員が)オーバーステイであることはうすうす分かっていた。在留カードを見ても身分確認が本当に大丈夫かよく分からなかった」
とのコメントされています。
コメントの真意は定かではありませんが、一般企業においては、確信犯的に不法就労をさせるというよりも、不法就労をしている・させているという自覚がない=「知らなかった」というケースが多いのです。
残念ながら「知らなかった」は通用しません。繰り返しになりますが、不法就労をした外国人のみならず、不法就労をさせた企業も処罰の対象となってしまいます。
また、外国人の中には在留期間をあまり気にしていない人も多く、
「あれれっ?!、1年以上も前に在留期間が過ぎていた!」
と大慌てになることもあるようです。
この場合、約1年は不法就労状態になり、企業側が不法就労助長罪に問われてもおかしくありません。
このようなことがないように、採用時(雇用前)の在留カードの確認と同様に、雇用後の在留期間の管理も大切です。
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