雇用可能な外国人の在留資格とは

雇用可能な外国人在留資格の種類と確認方法

このコラムでは外国人雇用について、経営者が守らなければならないルールを解説します。

万が一、法令を守らず、雇用した外国人が「 不法就労 」とみなされた場合には経営者(事業主)に以下の罰則が適応されます。

入管法には、「不法就労助長罪」が定められています。

不法就労助長罪は、

  1. 事業活動に関し、外国人を雇用するなどして不法就労活動をさせる行為
  2. 外国人に不法就労活動をさせるために、自己の支配下に置く行為
  3. 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為、又は(2)の行為に関しあっ旋する行為

を処罰の対象とし、これらに該当した者については3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれらを併科すると定められています。

厚生労働省HPより

上記の通り、不法就労は決して軽い罰則ではありません。

また、雇用される側の外国人も法律を把握していないケースが散見されます。

一方で、就労する資格があり、意欲と能力をもった外国人を雇用しないことも経営上の非効率といえます。

以下、適法の範囲で外国人を雇用するために必要な手順とルールをお伝えしていきます。

就労資格の有無を確認する

外国人を雇用する場合、経営者は外国人が就労可能な在留資格を持っていることを確認する必要があります。

在留資格に定められた範囲で就労が認められている在留資格19種類

在留資格に定められた範囲で就労が認められている在留資格19種類
外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、技能実習、特定活動(ワーキングホリデー、EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士等)

一般事務所での雇用が多いと考えられる3つの在留資格

上記19種類のうち、一般事務所での雇用が多いと考えられる3つの在留資格は以下の通りです。

一般事務所での雇用が多いと考えられる3つの在留資格
技術・人文知識・国際業務…… コンピューター技師、自動車設計技師、 通訳、語学の指導、為替ディーラー、デザイナー等

企業内転勤…………………… 企業が海外の本店又は支店から期間を定めて受け入れる社員 (活動は、「技術」、「人文知識・国際業務」に掲げるものに限る。)

技 能……………………… 中華料理・フランス料理のコック等

原則として就労資格がない在留資格5種類

以下の5つの在留資格には、原則として就労資格が認められていません。

原則として就労資格がない在留資格5種類
文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在

「留学」及び「家族滞在」の在留資格をもって在留する外国人の方を、アルバイトなどで雇用する場合には、地方入国管理局で資格外活動の許可を受ける必要があります。

資格外活動の許可を得れば、「留学」の在留資格をもって在留する外国人の方については原則として1週28時間まで就労することが可能となります。また、 「留学」の在留資格をもって在留する外国人の方は、その方が在籍する教育機関が夏休み等の長期休業期間中については、1日8時間まで就労することが可能と なります。これらの就労は包括的に許可されますが、教育機関の長期休業期間等、具体的な許可の範囲については、「資格外活動許可書」により確認することが できます。
また、資格外活動の許可を得れば「家族滞在」の在留資格をもって在留する外国人の方についても、原則として1週28時間まで就労することが可能となりま す。事業主の方は、これらの在留資格を有する方を雇用する際には、事前に「旅券の資格外活動許可証印」又は「資格外活動許可書」などにより就労の可否及び 就労可能な時間数を確認して下さい
なお、これらの方にあっては、風俗営業等に従事することはできません。

資格外活動許可があるとはいえ、留学生や家族滞在の方には就労可能時間には限度がありますので、その限度の範囲内で就労していただく必要があります。

通常は、週に28時間、長期休暇中は1日8時間が原則です。

資格外活動許可書は、以下のような形になっています。下に記載する画像のうち左側が、 在留カード の裏面、中央がパスポートに添付される同許可シールのサンプル、右側が上陸許可証印です。

左・中央の画像はいずれも広島大学・学生情報の森よりお借りしました。
(同ページURL:https://momiji.hiroshima-u.ac.jp/momiji-top/international/arubaito.html

在留資格カード裏面

赤枠内が、在留資格外活動の許可を示す記載

パスポートに添付される在留資格シール

パスポートに添付される在留資格シール

 

なお、留学生として来日している方を雇用する場合にも、卒業後に 在留資格 を変更する必要があるので注意が必要です。

2019年4月1日より、新たな在留資格(特定技能1号・2号)が創設されます。 特定技能1号 ・ 特定技能2号 についての解説はこちらのページをご確認ください。

まとめ

・在留資格には、就労できるものとできないものがある。在留資格がない外国人を雇用すると経営者(事業主)が罪に問われる場合がある。

・「留学」「家族滞在」など原則・就労できない在留資格であっても、資格外活動の許可を取得すれば定められた範囲で雇用することができる。

・就労が可能となる「資格外活動の許可」の有無は在留カードの裏面の記載、またはパスポートに添付されたシールで確認することができる。

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