インターンシップとして留学生を受け入れる方法

インターンシップとは、一般的には、学生が企業等において、実習・研修的な就業体験をする制度であり、学生が自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うものです。

インターンシップとして留学生を受け入れる際のポイントをまとめました。

インターンシップの募集方法

日本政府は、留学生が、日本の産業高度化や企業のグローバル化を支える専門的な知識や技術を持った優秀な国際人材として、日本企業で就職することを応援しています。
厚生労働省の管轄である「外国人雇用サービスセンター」では、留学生の夏季や春季の長期休業期間を活用して、実際に日本の企業で就業体験などを行う留学生インターンシップの支援・マッチングを行っています。

他、各自治体や各非営利団体等、一般企業などでも、留学生インターンシップと企業とのマッチングサービスを行っています。

外国人雇用サービスセンター
留学生向けのインターンシップの窓口として、企業と外国人留学生との相互理解を促すとともに、外国人留学生を取り巻く就職環境の改善を図ることを目的としている。東京・名古屋・大阪の外国人雇用サービスセンター、福岡学生職業センターがある。

詳細→ Employment Service for foreigners:外国人雇用サービスセンター


引用:大阪外国人雇用サービスセンター「インターンシップ受け入れ企業として参加したい

東京都「中小企業の外国人材受入支援事業」運営事務局
Tokyo しごと GUIDE

インターンシップの対象となる学生

対象となる学生は、2つのケースが想定されます。

  1. 在留資格「留学」、「特定活動」(継続就職活動)又は「特定活動」(就職内定者)をもって在留している大学生・大学院生
  2. 日本でのインターンシップを目的として来日する海外の大学生・大学院生

インターンシップ開始前に、学生が出入国在留管理庁(旧:入国管理局)へ在留資格を受ける必要があるケースや、インターンシップを行う予定の企業等が、「在留資格認定証明書交付申請」(※)を出入国在留管理庁に行う必要があるケースがあります。

1.在留資格「留学」、「特定活動」(継続就職活動)
又は、「特定活動」(就職内定者)をもって在留している大学生・大学院生

■インターンシップにより報酬が発生しない場合(無報酬でインターンシップを行う場合)
→学生は、出入国在留管理庁から事前に許可を受ける必要はありません。

■インターンシップにより報酬が発生する場合
学生のインターンシップに従事する時間によって、在留資格が変わります。

●1週について28時間以内、又は、在籍する学校の長期休業期間中のインターンシップであって、当インターンシップに従事する時間が1日について8時間以内の場合
→学生は、事前に出入国在留管理庁から「資格外活動許可(※)を受ける必要があります。

※1週について28時間以内で行う、いわゆるアルバイトに対する許可のことです。
(注)学生は当許可を受けることにより、夏季休暇などの学校の長期休業期間、1日について、8時間以内の資格外活動が可能です。
長期休業期間中に、1週について28時間を超えるインターンシップに参加させる場合であっても、下記の「1週について28時間を超える資格外活動許可」を受ける必要はありません。

詳細→How do international students get a job, in Japan?:留学生がアルバイトをするには?

●(長期休業期間以外で)1週について28時間を超える場合
→学生は、事前に出入国在留管理庁から資格外活動許可とは別に、「1週について28時間を超える資格外活動許可」(※)を受ける必要があります。
(注)学業に支障がないことが前提となります。

2.日本でのインターンシップを目的として来日する海外の大学生・大学院生

インターンシップによる報酬の発生有無により、下記のいずれかに該当します。

■インターンシップにより報酬が発生しない場合(無報酬でインターンシップを行う場合)
<90日以内のインターンシップの場合>
 →学生は、在留資格短期滞在」(※)での入国となります。

<90日を超えるインターンシップの場合>
→学生は、在留資格文化活動」(※)での入国となります。
※インターンシップを行う予定の企業等が、在留資格認定証明書交付申請を出入国在留管理庁に行う必要があります。

■インターンシップにより報酬が発生する場合
 →学生は、在留資格特定活動(告示9号)」(※)での入国となります。

○対象となる方
外国の大学の学生
※卒業又は修了した者に対して学位の授与される教育課程に在籍している学生が対象となります。
(いわゆる通信教育課程に在籍している学生は除かれます。)

○滞在期間
1年を超えない期間で、かつ、通算して大学の修業年限の2分の1を超えない期間内であること

○対象となる活動
学業等の一環として、外国の大学と本邦の企業等の間の契約に基づき、報酬を受けて実習を行う活動

※各在留資格の申請に係る情報は、法務局のHP 出入国管理及び難民認定法関係手続 を参照してください。

労働関係法令の適用・留意事項

○労働関係法令の適用
インターンシップ制度は、原則的に労働契約を前提としていません。
また、インターンシップにおいて報酬が発生しない(=無給)のケースもあるので、本来、労働基準法が想定する労働者ではないでしょう。
しかし、実態として学生が労働をしているとすれば、労働基準法などの労働者保護の部分が準用される可能性があります。

この点について行政通達では、

「インターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合には、労働基準法第9条に規定される労働者に該当しないものであるが、直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・効果が当該事業場に帰属し、かつ、事業場と学生の間に使用従属関係が認められる場合には、当該学生は労働者に該当するものと考えられる。」

旧労働省平成9年9月18日基発第636号

とされています。
したがって、インターンシップでの受け入れであっても、労働者に該当する以上、労働基準関係法令の遵守が求められます。

○インターンシップに関する留意事項
(1)受入体制及び指導体制の確保について
インターンシップは、教育課程の一部であるため、インターンシップを実施する日本の企業において学生を受け入れる十分な体制及び指導体制が確保されている必要があります。
(2)専攻との関係について
インターンシップは、教育課程の一部として、単位習得等の学業の一環として実施されることが要件とされていますが、インターンシップの内容と学生の専攻との関連性についても留意する必要があります。

 

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