ケーススタディ:株式会社丸山製茶様

2018年現在、日本国内にいる外国人は約270万人。そのうち、1,460,463人は労働者で、2008年に届け出が義務化されて以来過去最高を記録しました。

外国人労働者を雇用する事業所数は216,348か所で、前年同期比21,753か所で11.2%増加。

こちらも過去最高です。

日本では労働人口が減少し、海外からやってきた外国の人と一緒に働く機会が増えています。

今回は、日本茶の製造販売を手掛ける丸山製茶様で活躍するニナーダさんの事例を取り上げたいと思います。


●商号 丸山製茶株式会社 (Maruyama Tea Products Corporation)
●所在地 本社
〒436-0016 静岡県掛川市板沢510-3
TEL 0537-24-5588 / FAX 0537-24-5579
東京営業所(総武本線 錦糸町駅 徒歩5分)
〒130-0013 東京都墨田区錦糸1丁目7-15 T’Zビル錦糸町2F
TEL 03-5637-5300 / FAX 03-5637-6300
■創業 昭和8年4月
■設立 昭和33年4月
■資本金 1,000万円
■代表者 代表取締役 丸山勝久
■業務内容 お茶の卸全般(原料・製品)、袋詰・缶詰・ティーバッグ・粉末加工、抹茶の製造・商品のご提案、冠婚葬祭・一般ギフト全般、海外向け商品の企画・開発・輸出入業務全般
■従業員 88名
■契約茶園 掛川城南茶業組合、農業生産法人 株式会社まるやま農場
■取引銀行 静岡銀行掛川支店、島田掛川信用金庫本店
■グループ企業 静岡県下最大規模のお茶専門店・茶菓きみくら(貴美蔵)
KIMIKURA CAFE(きみくらカフェ)
お茶の通販専門・株式会社お茶の里城南
紅茶&フレーバーティー専門店 Tea Please!
農業生産法人 (株)まるやま農場
和生菓子等の製造/販売/OEM 株式会社北辰たちばなや

どんな経緯で日本で働いていますか?

ニナーダ:就職先を探しているときに自分で丸山製茶を探して応募しました。ビザの関係で1年ほどインターンとして働いた後、正式に入社しました。会社の人がみんないい人でとても気に入っています。

Fnavi:現在はどんな環境で働いていますか?

ニナーダ:私が働いている部署は、海外事業部でメンバーは8人です。そのうち5人が日本人、3人が外国人で、フランス、台湾出身の人がいます。私はスリランカ出身です。

Fnavi:ニナーダさんは、英語を話せるので、就職する国の候補は他にもあったと思いますが、日本を選んだ理由は何ですか?

ニナーダ:妹が日本に住んでいることもあって、日本を選んだ理由は、ずっと日本に来たいと思っていました。また、気候が住みやすいことです。以前、ドバイに住んでいたことがありますが、とても暑いし、食べ物の量が多すぎて合いませんでした。また、日本人が温和で礼儀正しい国民性であることも理由の1つです。あと、丸山社長がとてもいい人なので。丸山社長は英語も話します。

日本で仕事をする上で難しいこと

Fnavi:日本に住んで働く中で、難しさを感じることはありますか?

ニナーダ:日本語は難しいですね。入国管理局の職員が英語を話せないことには困りました。あとは病院も英語が通じないので、今は、同僚に通訳をしてもらっています。例えば、同僚に症状を伝えて日本語に翻訳してもらったメモを持って病院に行ったりします。美容院なども英語が通じないので要望を伝えるのが難しいと感じます。子どもが小学校に通っていますが、学校で配れるチラシやお知らせが読めないので時々困ります。でも、10年前に比べれば、全体的にずっと良くなったと思います。

Fnavi:仕事でも難しいことはありますか?

ニナーダ:仕事では特に難しいことはないです。部署のメンバーは全員、英語が話せます。仕事の内容も、いろいろな国とやり取りをしますから、調べることが沢山ありますが基本的に英語なので問題ないです。最近は、台湾、ロシア、タイの会社とのプロジェクトなどもしています。

外国人人材が経営に与えるプラスの影響

Fnavi:海外事業部の橋本部長にお話を伺います。

Fnavi:海外事業部の橋本部長にお話を伺います。

現在、海外事業部にはニナーダさんを始め外国出身のメンバーが3名いらっしゃいます。会社やビジネスにどんな影響がありましたか?

橋本部長:一言でいうと、意識改革につながったと思います。海外事業部は、海外向けに製品を販売しているわけですが、外国出身者がいることで仕事の幅も広がったと思います。当社では、抹茶、深蒸し茶、緑茶などを、欧米を中心に輸出しているので、輸出先での通関業務や顧客とのやり取りなど外国出身のメンバーに活躍してもらっています。日本茶と言うと、国内市場を中心に見がちですが、彼らがいることで国外に目を向けるきっかけになっています。業界全体にとってもいい刺激になっているように思います。

編集後記

今回は、丸山製茶様で活躍するニナーダさんとその上司に当たる橋本様にお話を伺いました。ニナーダさんが、とても明るく楽しそうにお仕事の話をしてくださったのがとても印象的でした。

また、丸山製茶様では日本人スタッフの方が、外国人スタッフのちょっとした相談を聞いたり、サポートを自主的に提供していることも、外国人人材の活躍に大きく貢献しているようです。

外国人スタッフを受け入れるためには、制度や仕組みを整えることはもちろんですが、日本人スタッフの受け入れ姿勢がとても重要であることを改めて気付かされました。会社として、外国人人材が安心して働ける環境を作る努力を有形無形を問わずしているからこそ、シナジーを生み出せるように思います。

 

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