採用後に不法就労外国人と分かったら?
不法就労の外国人を採用してしまった場合の対処方法と、必要な知識等を確認しましょう。
Q:不法就労の外国人を採用してしまったら?
A:不法就労者を雇用することは法律で禁止されています。
従って、就労させてはいけません。
不法就労が解消できない場合は、就業規則等に従って退職・解雇の手続きを踏む必要があります。
「不法就労だから、解雇手続きを踏まずにすぐに辞めさせてもよいのでは?」
と思われるかもしれませんが、労働基準法では、国籍や身上、性別等による差別を許していません。従って、たとえ不法就労の外国人であっても、日本国内で使用者に使われる労働者であれば、労働基準法による権利が保障されるため、解雇手続きが必要となります。(解雇できることを明確にするためにも、外国人人材の採用の前に、就業規則等に「不法就労となった場合には退職・解雇となる」ことを規定しておくといいでしょう。)
そして解雇時に、本人に入国管理局へ出頭するように促してください。
やり取りをしているうちに、不法就労の可能性のある外国人が逃亡し、連絡がとれなくなる可能性もありますので、万が一、対象の外国人が行方不明になってしまった場合は、入国管理局に対し、速やかに文書で申告しておきましょう。
尚、採用後に不法就労だったことが判るケースとしては、外国人本人が提出した資料等が偽造だったことが後から判ってしまった場合等が考えられます。
会社が、不法就労外国人であることを知らずに雇用した場合には、処罰されることはありませんが、雇用契約を結ぶにあたって、不法就労であるとはっきり認識していなくても、状況から見て、その可能性があるにもかかわらず、当該外国人の在留資格や在留期限の確認を怠ってあえて雇用した場合には、不法就労助長罪にあたり、処罰される可能性があります。
不法就労助長罪
1. 事業活動に関し、外国人を雇用するなどして不法就労活動をさせる行為
2. 外国人に不法就労活動をさせるために、自己の支配下に置く行為
業として、外国人に不法就労活動をさせる行為、又は(2)の行為に関しあっ旋する行為
を処罰の対象とし、これらに該当した者については3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれらを併科すると定められています。
※他に労働関係の法令に抵触することがあれば、それぞれの法律の処罰を受けるケースもありますので、関連法令を遵守した適切な雇用管理が求められます。
外国人労働者を採用するに当たっては、必ず、旅券(パスポート)又は在留カード等により、「在留資格」「在留期間」「在留期限」を確認しましょう。特に、「在留資格」については、就労活動が認められる在留資格がどうか確認して下さい。
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